自衛隊の“情報活動”があまりに低レベルだったので
日本共産党の志位和夫委員長が「独自入手」したと会見で公表した自衛隊情報保全隊作成の内部資料が、防衛省に大きな波紋を広げている。保全隊の調査・情報収集活動の内容がすこぶる低レベルだったからだ。「注意」と記された内部文書には、自衛隊に批判的な市民団体や個人を恒常的に監視した結果が記載されているが、集…
View Articleテロ特措法延長反対で陸自の危険度が増す
民主党の小沢代表が十一月一日に期限切れとなるテロ対策特別措置法の延長に反対する意向を固めたことで、防衛省内には「陸上自衛隊に犠牲者が出る」との懸念が広がっている。 テロ特措法は既に三回延長され、海上自衛隊によるインド洋での洋上補給は、はや六年目。だが、民主党は同法の成立時を含め過去の延長論議でも…
View Article「海の常識」を忘れた海上自衛隊の失態
三月二日午前、海上保安庁のヘリに乗った福田康夫首相が、千葉県勝浦市に降り立った。二月十九日、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と衝突し、沈没したマグロ延縄漁船・清徳丸の乗組員・吉清治夫さん、哲大さん親子の親族に謝罪するためである。 今回のイージス艦と漁船の衝突事故では、防衛省が状況報告を小出しにし…
View ArticleスーダンPKO派遣で攻める「外務」守る「防衛」
スーダン南部で展開中の国連平和維持活動(PKO)への自衛隊参加をめぐり、外務、防衛両省が水面下で激しい鍔迫り合いを演じている。五月のアフリカ開発会議(TICAD)、七月の北海道洞爺湖サミットで国際貢献の目玉が欲しい外務省がスーダン派遣を提起、これに防衛省が抵抗している構図だ。 外務官僚が描くのは…
View Articleサミット「警備体制構築」はもう間に合わない
何か起こったら町村官房長官の責任――。サミットの警備体制構築は遅れに遅れている。省庁の連携もガタガタ。天に祈るしかないのか。 《七月七日 反グローバリズム勢力がサミット会場周辺で大規模デモ。首脳が乗ったヘリコプターは故障》 《八日 デモが暴徒化。国内過激派は道内の陸上自衛隊演習場に侵入。札幌の地下…
View Article選挙区の草取りに精出す石破防衛相に冷たい視線
石破茂防衛相の評価が防衛省内で急落している。というのも、昨年九月の大臣就任以来、部隊視察もろくにせず選挙区の鳥取に帰ってばかりいるからだ。就任から約十カ月、在日米軍再編問題という大きな課題を抱える沖縄訪問はおろか、歴代防衛庁長官、防衛大臣が行なった訪米すら実現していない。今後、年内の訪中と訪韓だ…
View Article海自幹部が思わず舌を巻いた中国海軍幹部の“常在戦場”ぶり
六月二十四日から自衛隊艦艇として初めて中国を訪問した海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」。入港先の広東省湛江で、“事件”は起きた。 中国海軍の幹部約二十人を招き、さざなみの幹部食堂で海自主催の昼食会が開かれたときのこと。メニューは天ぷら、刺身などの日本食。大きな重箱に詰められ、各自の席に置かれたが、中…
View Article“幸運”にも恵まれたサミット警備の舞台裏
北海道洞爺湖サミットは大きな問題もなく終わったが、警察当局が動揺した局面もあった。過激な反グローバリズム勢力「ブラックブロック」の入国が確認された時だ。過去に身柄を拘束されたことがないメンバーの人定はできておらず、また出身国以外の第三国を経由して来日した場合に把握が遅れるなど、重い教訓が残った。…
View Articleミサイル対処で生じた「三つの不協和音」
日本側での二つの「軌み」はいつもながら。それ以上に厳しい現実は、日米同盟間の不協和音だった。そこへロシア機が飛来――。 四月五日午前十一時三十分、北朝鮮は長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射した。自衛隊のオペレーションは前日の「発射誤情報」問題を感じさせないほど順調だった。発射の一分後から防衛…
View Article「狩猟生まれ、冷戦育ち」のバイアスロン
日本ではなじみが薄いけれど、いかにも冬季オリンピックらしいスポーツがある。バイアスロンだ。「バイ」とはギリシア語で「二つ」という意味を表す接頭辞で、「バイアスロン」となると、クロスカントリースキーとライフル射撃の二つの種目を組み合わせた競技になる。 男女別に個人、スプリント、パシュート、マススタ…
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