「狩猟生まれ、冷戦育ち」のバイアスロン
日本ではなじみが薄いけれど、いかにも冬季オリンピックらしいスポーツがある。バイアスロンだ。「バイ」とはギリシア語で「二つ」という意味を表す接頭辞で、「バイアスロン」となると、クロスカントリースキーとライフル射撃の二つの種目を組み合わせた競技になる。 男女別に個人、スプリント、パシュート、マススタ…
View Articleミサイル対処で生じた「三つの不協和音」
日本側での二つの「軌み」はいつもながら。それ以上に厳しい現実は、日米同盟間の不協和音だった。そこへロシア機が飛来――。 四月五日午前十一時三十分、北朝鮮は長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射した。自衛隊のオペレーションは前日の「発射誤情報」問題を感じさせないほど順調だった。発射の一分後から防衛…
View Article“幸運”にも恵まれたサミット警備の舞台裏
北海道洞爺湖サミットは大きな問題もなく終わったが、警察当局が動揺した局面もあった。過激な反グローバリズム勢力「ブラックブロック」の入国が確認された時だ。過去に身柄を拘束されたことがないメンバーの人定はできておらず、また出身国以外の第三国を経由して来日した場合に把握が遅れるなど、重い教訓が残った。…
View Article海自幹部が思わず舌を巻いた中国海軍幹部の“常在戦場”ぶり
六月二十四日から自衛隊艦艇として初めて中国を訪問した海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」。入港先の広東省湛江で、“事件”は起きた。 中国海軍の幹部約二十人を招き、さざなみの幹部食堂で海自主催の昼食会が開かれたときのこと。メニューは天ぷら、刺身などの日本食。大きな重箱に詰められ、各自の席に置かれたが、中…
View Article選挙区の草取りに精出す石破防衛相に冷たい視線
石破茂防衛相の評価が防衛省内で急落している。というのも、昨年九月の大臣就任以来、部隊視察もろくにせず選挙区の鳥取に帰ってばかりいるからだ。就任から約十カ月、在日米軍再編問題という大きな課題を抱える沖縄訪問はおろか、歴代防衛庁長官、防衛大臣が行なった訪米すら実現していない。今後、年内の訪中と訪韓だ…
View Articleサミット「警備体制構築」はもう間に合わない
何か起こったら町村官房長官の責任――。サミットの警備体制構築は遅れに遅れている。省庁の連携もガタガタ。天に祈るしかないのか。 《七月七日 反グローバリズム勢力がサミット会場周辺で大規模デモ。首脳が乗ったヘリコプターは故障》 《八日 デモが暴徒化。国内過激派は道内の陸上自衛隊演習場に侵入。札幌の地下…
View ArticleスーダンPKO派遣で攻める「外務」守る「防衛」
スーダン南部で展開中の国連平和維持活動(PKO)への自衛隊参加をめぐり、外務、防衛両省が水面下で激しい鍔迫り合いを演じている。五月のアフリカ開発会議(TICAD)、七月の北海道洞爺湖サミットで国際貢献の目玉が欲しい外務省がスーダン派遣を提起、これに防衛省が抵抗している構図だ。 外務官僚が描くのは…
View Article「海の常識」を忘れた海上自衛隊の失態
三月二日午前、海上保安庁のヘリに乗った福田康夫首相が、千葉県勝浦市に降り立った。二月十九日、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と衝突し、沈没したマグロ延縄漁船・清徳丸の乗組員・吉清治夫さん、哲大さん親子の親族に謝罪するためである。 今回のイージス艦と漁船の衝突事故では、防衛省が状況報告を小出しにし…
View Articleテロ特措法延長反対で陸自の危険度が増す
民主党の小沢代表が十一月一日に期限切れとなるテロ対策特別措置法の延長に反対する意向を固めたことで、防衛省内には「陸上自衛隊に犠牲者が出る」との懸念が広がっている。 テロ特措法は既に三回延長され、海上自衛隊によるインド洋での洋上補給は、はや六年目。だが、民主党は同法の成立時を含め過去の延長論議でも…
View Article自衛隊の“情報活動”があまりに低レベルだったので
日本共産党の志位和夫委員長が「独自入手」したと会見で公表した自衛隊情報保全隊作成の内部資料が、防衛省に大きな波紋を広げている。保全隊の調査・情報収集活動の内容がすこぶる低レベルだったからだ。「注意」と記された内部文書には、自衛隊に批判的な市民団体や個人を恒常的に監視した結果が記載されているが、集…
View ArticleNATOとの協力は必要だが油断禁物
安倍首相はNATO本部で協力を謳った。だが自衛隊の海外任務で犠牲者が出れば世論は急変しかねない。覚悟と準備あってのことなのか。 遥けくも来にし道かな。 訪欧中の安倍晋三首相が一月十二日、北大西洋理事会(NAC、いわゆるNATO=北大西洋条約機構=理事会)に日本の指導者として初登場、初演説したとき、…
View Article大きな問題、小さな問題
アネクドートの世界で筆者の恩師だった作家・ロシア語通訳の米原万里さんが亡くなられた。米原さんと会う時はいつも緊張した。鋭い感性、辛辣な直言、頭の回転の速さと記憶力で圧倒される上、おかしなことを話すと後で何を書かれるか分からないからだ。 米原さんが話していたロシア式アネクドートの真髄は、「視点を一…
View Article国際災害援助でCIMICが力を発揮し始めた
昨年のパキスタン大地震では自衛隊と日本のNGOの連携が結実。海外ではすでに進歩している民軍協力の日本での将来性は――。 大災害や紛争地の復興活動で、国際機関などの文民組織と軍隊が協力する「民軍協力(Civil Military Cooperation=CIMIC)」が世界的に盛んになってきている。…
View Articleロシアが中国に引き渡した最新鋭潜水艦の脅威
装備の近代化と強化を急ピッチで進める中国海軍が昨年十二月、ロシアから新たにキロ級潜水艦とソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦、それぞれ一隻の引き渡しを受けていたことが明らかになった。 このうち、今回引き渡されたキロ級潜水艦は、従来の877型よりもスクリュー音の静粛性が格段に高まって探知・追尾が難しいと…
View Article「ガス田上空」に中国軍機 自衛隊機スクランブル急増
中国が海底資源の開発を進めている東シナ海の日中中間線付近。その上空で中国空軍が情報収集機による活動を活発化させており、航空自衛隊の戦闘機が九州の新田原基地、築城基地から緊急発進するケースが相次いでいる。 防衛庁によると、二〇〇五年四月から九月までの半年間に、日本の防空識別圏(ADIZ)に中国軍機…
View Article海外派遣の自衛隊を振り回す「偽情報」
スマトラ沖地震・津波の被災者支援のためインドネシアのアチェ州に派遣された自衛隊。インドネシア軍とアチェ独立組織が交戦との情報に基づいて輸送支援を一時中断したが、この情報が誤りだった可能性が強まっている。 二月二十一日、現地の海上・陸上自衛隊にインドネシア軍から、軍とアチェの独立武装組織「自由アチ…
View Article豪・東ティモール対立で動きのとれない日本
オーストラリアは二月下旬、東ティモールとの領海線の画定に関する交渉を延期する方針を決めた。両国間には「ティモール・ギャップ」と呼ばれる豊富な海底ガス・油田があり、取り分をめぐり対立が続く。 オーストラリアが実質的に支配しているガス田の開発を石油開発会社に許可しようとする一方、東ティモールは開発に…
View Articleいくら何でも「スーダンPKO」は無理
政府が自衛隊派遣の検討を始めたスーダンでの国連平和維持活動(PKO)に対し、防衛庁から「派遣は困難」との声が出ている。昨年暮れに改定された「防衛計画の大綱」は自衛隊の海外派遣を本来任務に位置づけたが、現実は厳しいようだ。 内戦が続いた北東アフリカのスーダンでは、一月、バシル政権と反政府勢力が包括…
View Articleインドネシア・アチェで自衛隊を待ち受けるもの
大地震と津波による未曾有の災害に襲われたインドネシア政府からの要請を受けて、防衛庁・自衛隊は国際緊急援助隊派遣法に基づき、過去最大規模となる陸海空自衛官約八百人の大部隊を、被害が最も深刻なスマトラ北部アチェ特別州に派遣する。先遣隊に続いて一月六日に航空自衛隊の輸送機が日本を出発、続いて中旬には海…
View Article「北の脅威」にようやく備え 自衛隊の新装備
敵基地への攻撃が自衛隊にとって現実的な選択肢になる。過去の政府の国会答弁で、他に手段のない場合に限って敵基地攻撃を自衛の範囲に含めることが認められているものの、自衛隊の装備体系は防御兵器に限られている。そのため、実際には「切れない切り札」(防衛庁幹部)だった。 だが、十二月十日に閣議決定された五…
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